ココロとカラダ、健康に。

やず本や | ココロとカラダ、健康に。集中できる書斎のある本屋。

【開催レポート】おとなの夜な夜な絵本読書会

開催レポート

おとなの夜な夜な絵本読書会

■やず本や初!絵本読書会開催!
今回は、絵本セラピストの堀本幸子先生を講師にお迎えし、初の絵本読書会を開催しました。
同じ絵本を読んでも感じ方は人それぞれです。
その違いを感じてもらうことが読書会の目的だと最初に先生がお話してくださいました。
おとなだからこそ感じる、絵本の魅力に癒されるおとなの夜な夜な絵本読書会、スタートです!

.

堀本幸子 (ほりもとゆきこ)
絵本セラピスト協会 絵本セラピスト。
大人が絵本に励まされ、癒される。
自らの経験から、大人が絵本を読むことへの魅力を感じ、定期的に大人の絵本読書会を開催中。

.

■おとなの夜な夜な絵本読書会
今回の読書会では、持ってきた絵本を朗読する、おすすめポイントを紹介する、または他の方のお話を聞くだけ、と参加方法をご自身で選んで参加するスタイルでした。
じゃんけんで順番が決まると、ご持参の絵本を朗読したり、紹介したりとそこからまた話がふくらんでさまざまなお話がつづいていきます。

『二平方メートルの世界で』 文:前田海音 絵:はたこうしろう
「二平方メートル」は病室のベッドの大きさを表しています。
そのベッドから見える景色が、脳神経の病気を患う主人公・海音ちゃんの世界のすべて。
普段から朗読の活動をしているというご参加者様が印象に残っているシーンを声に出して読んでくださいました。
海音ちゃんの切実な思いに胸がじんとします。

『おばけにょうぼう』 文:内田 麟太郎 絵:町田 尚子 
一見不気味な表紙絵がとても印象的な1冊。ご参加者様による読み聞かせが始まり、妖怪の女性と男性のお見合いのお話だと気が付きました。
イラストと話の内容のギャップに惹きこまれる魅力的な絵本でした。迫力のある読み聞かせにも圧倒されました!

『マンヒのいえ』 作・絵:クォン・ユンドク 訳:みせ けい
当時の韓国の子どもたちの暮らしが丁寧に描かれた絵本。
細部まで描き込まれた絵のリアルさに皆様驚かれていました。
韓国の日本とは違った生活感が分かってとても面白く、いつまでもじっくり眺めていたくなる絵本でした。

『あめだま』 作:ペク・ヒナ 訳:長谷川 義史
主人公のドンドンが不思議なあめだまを食べるとソファーや犬、そしてお父さんの心の声が聞こえてきて…。
ページ捲るごとに皆様から「かわいい!」と歓声があがっていたのがとても印象的でした。
本当にこんなあめだまがあったらな、と想像を膨らませてしまいます。

『きょうはなんのひ?』 作:瀬田 貞二 絵:林 明子
主人公のまみこちゃんが仕掛けるかわいらしいサプライズにワクワクさせられます。
ご参加者様の読み聞かせに、みなさん笑顔で耳を傾けていました。
ほんわりとあたたかい気持ちになれる絵本でした。

『どうぶつたちもこわかった』 作・絵:コーダ・ヨーコ
熊本市動植物園の「熊本地震」の様子を描いたノンフィクション絵本。
そのころ熊本に住んでいたご参加者様にとって熊本地震は大きな出来事だったとお話してくださいました。
地震を恐ろしいと思う気持ちは人間も動物も同じだという当たり前のことにはっとさせられました。

『きょうはそらにまるいつき』 作:荒井 良二
最後に堀本幸子先生が読み聞かせをしてくださったこちらの絵本。
「きょうはそらにまるいつき」というやわらかい言葉のリズムと、あたたかい絵が体に染みわたるような絵本でした。
学生時代、部活のあとに月を見上げながら帰っていたことを思い出しながら聞いていると、
読み聞かせのあとにご参加者様がそれぞれの「月」に関する思い出をお話ししてくださいました。
私も含め、絵本の世界に自分の思い出を重ねながら聞いていたようです。

・その他話題にあがった本
『よあけ』 作・絵:ユリ・シュルヴィッツ 訳:瀬田 貞二
『もこ もこもこ』 作:谷川 俊太郎 絵:元永 定正
『ニコラス・グリーブのゆうれい』 作:トニー・ジョンストン絵:S.D. シンドラー

■ご参加者様の感想
今回の読書会を通して、「絵本を読み聞かせてもらう側にしか気づけないことがあると感じた」
「視覚をいっぱい使う読書会が新鮮で楽しかった」「あたたかい気持ちになった」などたくさんの感想をいただきました。
その中でも、「いろいろな感じ方があって面白い」という感想を読書会の様々な場面で聞くことができました。
最初に堀本先生がおっしゃった「感じ方の違い」を実感することができた、かけがえのない時間になったのではないかと思います。

■おわりに
私自身、絵本を読んでもらう側になるのは本当に久しぶりでした。
子どもの頃との感じ方の違いや、おとなになったからこそ感じる言葉の響きや重みに気づくことができました。
おとなになっても「絵本」を通して、優しくあたたかい気持ちになれる貴重な体験でした。
ゆっくりと癒されたい夜に、家に眠っている懐かしい絵本を開いてみようと思います。

ALL